第12章エイドリアン

オークショニアがその品物の紹介を始めた。言葉が発せられるたび、セリーナの胸は激しく高鳴った。

それは間違いなく、彼女の母のネックレスだった。

三十年前、母のローレンがロスウェル家に嫁いだ際、セリーナの祖母が嫁入り道具の一部として贈ったものだ。祖母は生涯そのネックレスを身に着けていた。そしてその後の二十数年間、それはローレンの首元から片時も離れることはなかった。だがある日、セリーナは母がそれを外していることに気づいた。それ以来、母がそのネックレスを身に着けることは二度となかった。

セリーナが尋ねると、母は大切に保管してあるのだと答えた。それが今、オークションの競売台に置かれている。

セリ...

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